令和4年度を目途に本格的導入が必要とされている9年間を見通した小学校での教科担任制。令和3年7月、文科省の『義務教育9年間を見通した指導体制の在り方等に関する検討会議』にて『義務教育9年間を見通した教科担任制の在り方について(報告)』がありました。
内容について
その内容を一部抜粋しますね。
『外国語、理科、算数及び体育について優先的に専科指導の対象とすべき教科とすることが適当、そして中央教育審議会での整理を踏まえ、国として小学校高学年における教科担任制の推進を図るため、各地域・学校の実情に応じた取組が可能となるような定数措置により、特定教科における教科担任制の推進(専科指導の充実)を図ることを中心に考えるべきである』
令和3年7月:義務教育9年間を見通した指導体制の在り方等に関する検討会議』より引用
指導形態による教科担任制の4分類として、 文科省では次のものをあげています。
- 中学校並みの完全教科担任制
- 特定教科における教科担任制
- 学級担任間の授業交換
- 学級担任とのTeam Teaching※
※Team Teaching:2人以上の教師が協同して チームをつくり授業をすること。 算数などで実施されている学校もあります。
教科担任制導入の主旨と目的
文科省では、教科担任制導入に当たっての主旨と目的について、以下のように記しています。
- 教材研究の深化等により、高度な学習を含め、教科指導の専門性を持った教師が多様な教材を活用してより熟練した指導を行うことが可能となり、授業の質が向上。児童の学習内容の理解度・定着度の向上と学びの高度化を図る。
- 小・中学校間の連携による小学校から中学校への円滑な接続(中1ギャップの解消等)を図る。
- 複数教師(学級担任・専科教員)による多面的な児童理解を通じた児童の心の安定に資する。
- 教師の持ちコマ数の軽減や授業準備の効率化により、学校の教育活動の充実や教師の負担軽減に資する。など
留意する事項について
そして、導入にあたって留意する事項として、以下のような点をあげています。
- 学級担任が原則として全ての教科を教えることにより、教科横断的なカリキュラム・
マネジメントが効果的に行われてきたという利点が損なわれることのないよう、組織
的・教科等横断的な教育課程の編成・実施が可能となるよう留意する必要。 - 専科教員が配置されている教科も含めて、全ての小学校の教師が小学校で指導される
教科等について広く理解し、その連関を踏まえながら指導力を向上し、広い視野で指
導が行われるよう留意する必要。
まとめ
義務教育 9年間を見通した教科担任制については、小学校現場にいる教員にとっては、とてもホットな話題です。ですが、現状はすべての小学校において、2022年度から実施されるというわけではないということも頭に入れておくとよいと思います。