いじめ防止対策推進法には、道徳教育及び体験活動の充実という文言があります。いじめと道徳、体験活動は、どのようなかんけいにあるのでしょうか。
道徳教育
いじめ防止対策推進法第十五条は、このようになっています。
(学校におけるいじめの防止)
第15条
学校の設置者及びその設置する学校は、児童等の豊かな情操と道徳心を培い、心の通う対人交流の能力の素地を養うことがいじめの防止に資することを踏まえ、全ての教育活動を通じた道徳教育及び体験活動等の充実を図らなければならない。
文科省が示した『いじめの防止等のための基本的な方針』。(平成25年10月11日/最終改定 平成29年3月14日)には、
このような文章があります。
いじめの防止等に関する基本的考え方
(1)いじめの防止
いじめは,どの子供にも,どの学校でも起こりうることを踏まえ,より根本的ないじめの問題克服のためには,全ての児童生徒を対象としたいじめの未然防止の観点が重要であり,全ての児童生徒を,いじめに向かわせることなく,心の通う対人関係を構築できる社会性のある大人へと育み,いじめを生まない土壌をつくるために,関係者が一体となった継続的な取組が必要である。
このため,学校の教育活動全体を通じ,全ての児童生徒に「いじめは決して許されない」ことの理解を促し,児童生徒の豊かな情操や道徳心,自分の存在と他人の存在を等しく認め,お互いの人格を尊重し合える態度など,心の通う人間関係を構築する能力の素地を養うことが必要である。また,いじめの背景にあるストレス等の要因に着目し,その改善を図り,ストレスに適切に対処できる力を育む観点が必要である。加えて,全ての児童生徒が安心でき,自己有用感や充実感を感じられる学校生活づくりも未然防止の観点から重要である。
また,これらに加え,あわせて,いじめの問題への取組の重要性について国民全体に認識を広め,地域,家庭と一体となって取組を推進するための普及啓発が必要である。
また、このような文章もあります。
いじめに向かわない態度・能力の育成
学校の教育活動全体を通じた道徳教育や人権教育の充実,読書活動・体験活動などの推進により,児童生徒の社会性を育むとともに,幅広い社会体験・生活体験の機会を設け,他人の気持ちを共感的に理解できる豊かな情操を培い,自分の存在と他人の存在を等しく認め,お互いの人格を尊重する態度を養う。
1また,自他の意見の相違があっても,互いを認め合いながら建設的に調整し,解決していける力や,自分の言動が相手や周りにど
のような影響を与えるかを判断して行動できる力など,児童生徒が円滑に他者とコミュニケーションを図る能力を育てる。
2指導に当たっては,発達の段階に応じて,児童生徒がいじめの問題を自分のこととして捉え,考え,議論することにより,正面から向き合うことができるよう,実践的な取組を行う。また,その際,
・いじめは重大な人権侵害に当たり,被害者,加害者及び周囲の児童生徒に大きな傷を残すものであり,決して許されないこと,
・いじめが刑事罰の対象となり得ること,不法行為に該当し損害賠償責任が発生し得ること等についても,実例(裁判例等)を示しながら,人権を守ることの重要性やいじめの法律上の扱いを学ぶといった取組を行う。
まとめ
学校の教育活動全般を通して、道徳教育や体験活動が必要なことが示されている文章なので、よく読んでおきたいところです。