令和元年12月に文科省が公表した『教育の情報化に関する手引』。令和2年6月に追補版が示されました。
教育の情報化は、現在の学校教育にとって非常に重要な点です。この手引は、一次試験で取り上げている都道府県も多くあるので、チェックしておきたいところです。
教育の情報化に関する手引とは
新学習指導要領で「情報活用能力」が学習の基盤となる資質・能力と位置付けられたことから、教科等横断的にその育成を図ること、ICT環境を整えて、適切に活用した学習活動を充実させること等、教育の情報化が進むために作成された「手引」のこと。
令和元年12月に文科省より公表されました。
どのような内容か
新学習指導要領のほか、現時点の国の政策方針・提言、通知、各調査研究の成果、各種手引、指導資料等に基づき作成されたものです。
内容には、
「プログラミング教育」「デジタル教科書」「遠隔教育」「先端技術」「健康面への配慮」などの新規事項も追加、各学校段階・教科等におけるICTを活用した指導の具体例も記載されています。
また内容構成としては、
1.社会的背景の変化と教育の情報化
2.情報活用能力の育成
3.プログラミング教育の推進
4.教科等の指導におけるICTの活用
5.校務の情報化の推進
6.教師に求められるICT活用指導力等の向上
7.学校におけるICT環境整備
8.学校及びその設置者等における教育の情報化に関する推進体制
と章立てがされています。
追補版に追加されたこと
令和2年6月公表の『教育の情報化に関する手引 (追補版)』は、
環境整備関連予算の具体的な進め方を示したこと等から、時点更新やイラストの追加を行った追補版が公表されました。
主な追補内容には、
・学習場面に応じたICT活用の分類例としてイラスト
・特別支援教育におけるICTを活用した学習場面のイラスト
等などがあり、各章において特別支援教育関係の記述をしている点に注意が必要です。
教育の情報化とは
教育の情報化については『教育の情報化に関する手引』で、このように示されています。
情報通信技術の,時間的・空間的制約を超える,双方向性を有する,カスタマイズを容易にするといった特長を生かして,教育の質の向上を目指すものであり,具体的には次の3つの側面から構成され,これらを通して教育の質の向上を図るものである。
- 情報教育:子供たちの情報活用能力の育成
- 教科指導における ICT 活用:ICT を効果的に活用した分かりやすく深まる授業の実現等
- 校務の情報化:教職員が ICT を活用した情報共有によりきめ細やかな指導を行うことや,校務の負担軽減等
あわせて,これらの教育の情報化の実現を支える基盤として,
・ 教師の ICT 活用指導力等の向上
・ 学校の ICT 環境の整備
・ 教育情報セキュリティの確保
の3点を実現することが極めて重要である。
まとめ
教育の情報化は、社会的背景に合わせてこれからの学校教育で重要な役割をなすところとなりますよね。
これから教員となるみなさんにとって、採用試験対策のみならず、知っておかなくてはならない重要点でもありますね。