学習指導要領総則は、6つの項目が立てられていますので、項目ごとに要点をお話ししていきます。
今回は『小中学校教育の基本と教育課程の役割』 についてお話ししていきます。
小中の学習指導要領総則の6つの項目
1.小学校教育の基本と教育課程の役割
2.教育課程の編成
3.教育課程の実施と学習評価
4.児童生徒の発達の支援
5.学校運営上の留意事項
6.道徳教育に関する配慮事項
それぞれの項目はどれも重要なので、要点をしっかりとチェックしておきたいところです。
※『小中』や『児童生徒』 とまとめて記してある箇所は、 小学校学習指導要領総則には、 『小学校』『児童』と記され、 中学校学習指導要領には、 『中学校』『生徒』と記されています。
要点1
各学校は、適切な教育課程を編成し、そこに掲げた目標を達成するよう教育を行うこと。
要点2
学校の教育活動を進めるに当たっては、児童生徒に生きる力を育むことを目指すこと。
要点3
生きる力を育むことを目指すに当たってはどのような資質・能力の育成を目指すのかを明確にしながら、教育活動の充実を図るものとする。その際、児童生徒の発達段階や特性等を踏まえつつ 次に掲げることが偏りなく実現できるようにする。
①知識及び技能が習得されるようにすること
②思考力、判断力、表現力等を育成すること
③学びに向かう力、人間性等をかん養すること
要点4
各学校は、
①教育の目的や目標の実現に必要な教育の内容等を教科等横断的な視点で組み立てていくこ と
②教育課程の実施状況を評価してその改善を図っていくこと
③教育課程の実施に必要な人的又は物的な体制を確保するとともにその改善を図っていくことなどを通して、教育課程に基づき組織的かつ計画的に各学校の教育活動の質の向上を図っていくこと。(カリキュラム・マネジメントのことです)
要点2についての補足
『学校の教育活動を進めるに当たっては、 児童生徒に生きる力を育むことを目指すこと』 について、学校の教育活動を進めるに当たって 3点の実現を図ることがあげられています。 ①基礎的・基本的な知識及び技能を確実に習得させ、 これらを活用して課題を解決するために必要な 思考力、判断力、表現力等を育むとともに、 主体的に学習に取り組む態度を養い、個性を生かし 多様な人々との協働を促す教育の充実に努めること。 その際、児童生徒の発達の段階を考慮して、児童 生徒の言語活動など、学習の基盤をつくる活動を 充実するとともに、家庭との連携を図りながら、 児童生徒の学習習慣が確立するよう配慮すること。 (学習指導要領 総則より抜粋)
②道徳教育や体験活動、多様な表現や鑑賞の活動等を 通して、豊かな心や創造性のかん養を目指した教育の 充実に努めること。 ③学校における体育・健康に関する指導を、学校の教育 活動全体を通じて適切に行うことにより、健康で安全 な生活と豊かなスポーツライフの実現を目指した教育 の充実に努めること。
(学習指導要領 総則より抜粋 一部分変更)
まとめ
学習指導要領に示している内容は、 全ての児童生徒に対して 確実に指導しなければならないものであリ 児童生徒の学習状況など その実態等に応じて必要がある場合には 学校の判断で学習指導要領に示していない 内容を加えて指導することも可能である とされています。 これは、学習指導要領の「基準性」 といわれ、とても大切なことです。