2025年度採用向けの教職教養。教育時事では、「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す,個別最適な学びと,協働的な学びの実現~(答申)令和3年1月26日:中央教育審議 会をとりあげたいと思います。
「令和の日本型学校教育」答申が重要なわけ
ねこのーとでは、この答申の解説を最初に取り上げています。その理由は、現在の学校教育について、この答申を読み解くことで理解することができると考えているからです。
さっそくですが、こちら、答申本文、第1部総論「1.急激に変化する時代の中で育むべき資質・能力」内の一部抜粋部分を読んでみてください。
急激に変化する時代の中で育むべき資質・能力
人工知能(AI),ビッグデータ,Internet of Things(IoT),ロボティクス等の先端技術が高度化してあらゆる産業や社会生活に取り入れられた Society5.0 時代が到来しつつあり,社会の在り方そのものがこれまでとは「非連続」と言えるほど劇的に変わる状況が生じつつある。また,学習指導要領の改訂に関する「幼稚園,小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申)」(平成 28(2016)年12 月 21 日中央教育審議会。以下「平成 28 年答申」という。)においても,社会の変化が加速度を増し,複雑で予測困難となってきていることが指摘されたが,新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により,その指摘が現実のものとなっている。
このように急激に変化する時代の中で,我が国の学校教育には,一人一人の児童生徒が,自分のよさや可能性を認識するとともに,あらゆる他者を価値のある存在として尊重し,多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え,豊かな人生を切り拓き,持続可能な社会の創り手となることができるよう,その資質・能力を育成することが求められている。
この資質・能力とは,具体的にはどのようなものであろうか。中央教育審議会では,平成 28 年答申において,社会の変化にいかに対処していくかという受け身の観点に立つのであれば難しい時代になる可能性を指摘した上で,変化を前向きに受け止め,社会や人生,生活を,人間ならではの感性を働かせてより豊かなものにする必要性等を指摘した。とりわけ,その審議の際に AI の専門家も交えて議論を行った結果,次代を切り拓く子供たちに求められる資質・能力としては,文章の意味を正確に理解する読解力,教科等固有の見方・考え方を働かせて自分の頭で考えて表現する力,対話や協働を通じて知識やアイディアを共有し新しい解や納得解を生み出す力などが挙げられた。また,豊かな情操や規範意識,自他の生命の尊重,自己肯定感・自己有用感,他者への思いやり,対面でのコミュニケーションを通じて人間関係を築く力,困難を乗り越え,
ものごとを成し遂げる力,公共の精神の育成等を図るとともに,子供の頃から各教育段階に応じて体力の向上,健康の確保を図ることなどは,どのような時代であっても変わらず重要である。
※「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す,個別最適な学びと,協働的な学びの実現~(答申)令和3年1月中央教育審議会より一部を抜粋
急激に変化する時代の中で,一人一人の児童生徒が,自分のよさや可能性を認識するとともに,あらゆる他者を価値のある存在として尊重し,多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え,豊かな人生を切り拓き,持続可能な社会の創り手となることができるよう,その資質・能力を育成することが求められているとされ、その「資質・能力」とは、具体的にどのようなものをいうのかということが、この答申に出されている、つまり、どのような教育を行っていくのかが示されているので、この答申が超重要であるとしています。
まずは、Society5.0
それでは、さっそく、こちらの答申を読み解いていこうとしたいところではありますが、念のため、Society5.0などの一般常識的な用語について、少しお話をしていきますね。簡単に説明させていただきます。
こちらでとりあげた用語は、現在の社会状況をみるのに必要な用語だと感じたもの、こちらの答申で使われている用語です。